2014 | 5_31 | Saturday
紺紙金字無量義経断簡 Huruimono08
東京は本年初の真夏日の本日、今年も夏本番は灼熱の陽気になるのでしょうか…。少しずつ集まってまいりました、気軽で楽しい骨董品をご紹介するHuruimonoのコーナーです。今回は奥州藤原氏初代清衡の菩提のため二代基衡が発願した法華経で「千部一日経」と言われている古写経の一紙です。一日に法華経十巻を書写し、千日かけて千部書写することを目指したと言われているこちらの経、古美術商の方によりますと、近年に巻子本から切り分けれられた品ということでして、その際の見返し絵の出来や、金文字の発色、深く染められた良質な紺紙、また紙の巾254㎜が高野山金剛峯寺蔵の基衡発願経・法華経巻第四及び五(大治三年=1128年)と一致しているなど、中尊寺経の特長を色濃く残していたためにこの経の由来が特定されたとのことです。とにかくこの文字の美しさと繊細さは何度見ても惚れ惚れしてしまい、かなり気高く高貴な香りのする一流の雰囲気がいたしまして、当時なりふり構わずに思わず手にしてしまったと記憶しております。いろいろ古写経を調べてみますと、宮内庁に保管されている平安の紺紙金字経が全く同じ筆跡をしておりまして、巻は違えど書き手は同じと思いますので、平安の由緒正しい経であることには違いないようです。中尊寺経といいますと、金と銀の文字が交互に書かれたものが有名ですが、こちらの金字のみの経を含めますと数千巻にも及ぶ膨大な数が奉納されていたようで、豊臣秀次が高野山に大量に持ち出したりと長年にわたりかなり放出されてしまい、中尊寺に現在保管されているのはわずか16巻とのこと。世界遺産にもなった中尊寺ではありますが、こうして私がその一端を手に出来ることを考えますと、有り難くもあり、何とも複雑な気持ちもございます。もともと「日本」という名前は奥州平泉のことを差していたという説もありまして、豊富な金という莫大な富を背景に、本気で仏教国を築こうとした兵どもの夢の跡を、この初夏を前に、改めて感慨染み入るのもよいものです。
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2014 | 5_22 | Thursday
ギャラリー北欧器のStockを更新いたしました その3
本日東京は雷鳴轟く雷雨の後、快晴へと、たいへんな荒れ模様のお天気でありますがいかがお過ごしでしょうか。さらにさらに、先日に引き続きまして、ギャラリー北欧器のStockを更新いたしました。長きにわたるStock更新3部作の完結でありまして、最後はフィナーレにふさわしくベルント・フリーベリのミニチュア作品を一挙50点アップと、かつて無い大事業であります。かなり多くなってしまいましたが、名品揃いと思います。どうぞより少しだけ大きな画像でお楽しみくださいませ。
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2014 | 5_17 | Saturday
ギャラリー北欧器のStockを更新いたしました その2
新緑が美しくカラリとした澄んだ空気が心地良い季節ですが、いかがお過ごしでございましょうか。先日に引き続きまして、ギャラリー北欧器のStockを更新いたしました。今までの新旧混在の作品たちを整理整頓したような感じでしょうか。カールハリー・スタルハンの珍しい1点物作品を含めました計7点を、さらに師匠のグナー・ニールンドの作品2点、アクセル・サルトは新画像に差し替えをいたしました。どうぞウエアハウスより少しだけ大きな画像でお楽しみくださいませ。
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2014 | 5_12 | Monday
ギャラリー北欧器のStockを更新いたしました
だいぶ初夏を感じる陽気になってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでございましょうか。ギャラリー北欧器のStockを更新いたしました。ベルント・フリーベリの作品を10数点、同じくグスタフスベリの雄、スヴァン・ヴァイスフェルトの作品や、フリーベリの師でもありますウィルヘルム・コーゲの作品たちもUPしております。どうぞ少しだけ大きな画像でお楽しみくださいませ。
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2014 | 5_7 | Wednesday
Sven Wejesfeltの同釉作品たち shinamono26
スウェーデン、グスタフスベリ窯の作家、Sven Wejesfelt(スヴァン・ヴァイスフェルト)の作品たちです。
もともとロールストランド窯で、ニールンドやスタルハンの作品を制作していたようですが、スティグ・リンドベリに見初められ、グスタフスベリ窯に移籍、長年、氏のアートピース作品の制作を一手に引き受けておりました。フリーベリと同様に、作品はすべて轆轤で制作されており、その腕はフリーベリの後継、または北欧一の轆轤使いとの呼び声も高い作家でありました。スウェーデンはもとより、アメリカの美術館にも作品がコレクションをされている陶芸家で、2009年に鬼籍に入るまで、モダンデザインの黄金期を知る、最後の巨匠と呼ばれておりました。自身の作品は80年代〜2000年代前半まで作られており、その轆轤技術の賜物か、様々な釉や形の作品が残されております。フリーベリ作品の影響はたいへん大きなものですが、時に釉や形の美しさは、氏の作品を凌ぐこともあり、それを探すのも何とも面白い作家です。
今回ご紹介の5点は、86年〜88年の同時代に制作されたものでして、同じ釉薬、同じ哲学で作られた印象があり、細かな部分まで大変丁寧に作られております。この5点のセットには息を飲む、離れられない緊張感があり、思わず仕入れてしまいました。薄い鼠を帯びた青釉に、くすんだ赤茶の釉が、景色よく、また毛並みよく掛かっております。釉の表情は、まるで吹墨の如くチリチリとしたもので、不思議と古格があるようにも感じます。とくに目を引くのは、背の高い花器で、首が飴細工のようにビューっと伸び、折れてしまいそうなほどに細くなった箇所は、危なっかしくて目が離せません。この危うさが名作足らしめております。小さな花器たちも形がよく、それぞれ、口と胴のバランスが絶妙で、尚かつメリハリの利いた美しい曲線が柔らかく、精緻で、何ともよいものです。碗も同様に十分な大きさも備え、釉の景色よく、さらに口縁も薄手で、たいへん繊細な佇まいを見せております。すべて状態もたいへんよろしい完品です。バラでも、もちろんではございますが、ぜひセットでお持ちいただきたい、ヴァイスフェルトの名品たちです。
お写真一番上、左より
SW00116_1 薄縹釉小花器 高さ7.7cm 幅2.7cm(ご売約)
SW00116_2 薄縹釉小花器 高さ7.7cm 幅3.8cm
SW00116_3 薄縹釉碗 高さ5.3cm 幅13.7cm(ご売約)
SW00116_4 薄縹釉小花器 高さ5.5cm 幅4.3cm(ご売約)
SW00116_5 薄縹釉花器 高さ16.5cm 幅7cm(ご売約)
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