2014 | 9_25 | Thursday
ギャラリー北欧器のGalleryにモダンデザイン宝飾を新設いたしました
今年は秋の始まりが早く、
朝晩はだいぶ冷えるようになってまいりましたが、
皆様いかがお過ごしでございましょうか。
さてこの度、ギャラリー北欧器のGalleryにて、
新たにモダンデザイン宝飾を新設いたしました。
現在でも活躍を続けるフィンランドの巨匠、
Björn Weckström (ビョルン・ウェックストロム)の
Lapponia(ラポーニア)社での作品を中心に、
まるで自然と対話をするかのような、
そのフォルムの美しさをご高覧いただければ幸いでございます。
ウェックストロムは、1960年代に伝統的な宝飾品の流れを一気に変えてしまった、
まさに先駆者的な存在で、宝飾品を着飾る道具から、現代彫刻にまで高めた功績から、
20世紀最高峰のデザイナーとして現在も君臨しております。
スターウォーズのレイア姫が身につけていた大きなシルバーネックレスや、
ジョン・レノンとオノ・ヨーコがテレビ出演時に身につけたアクリル玉のリング等、
あの奇抜なデザインは皆、ウェックストロムの作品でもあり、
世界のセレブリティに絶大な支持を受けておりました。
天然の金塊、氷河の塊、滴る雫など、
太古からの自然の産物や大地の力強さそのままを身につけるという発想は、
当時としても強烈なインパクトで、その後のモダンデザインの流れに大きく影響を与えていきました。
細かな細工ではなく、シンプルな自然の曲線のように、
造形のフォルムの美しさだけを追求するという手法は、
フリーベリなど他の北欧陶芸・ガラス作家とも共通点が多く、
まさにこの時代特有の、モダニズムの潮流から生み出された
一人の天才とも呼べるかもしれません。
ギャラリー北欧器では、所謂宝飾品というカテゴリーよりも、
鑑賞工藝品として、額縁に入れるなどして楽しんでいただこうと、
背景等を極力排しフォルムを強調して、
少し風変わりなアプローチでご紹介していきたいと思います。
もちろん、ウェックストロム本人が語っているように、
人が背景となってはじめて、その彫刻が完成するとのことでして、
身につけていただくこともできますが、
どうしても氏の作品は、仏教宝物のような荘厳さをも感じ取ってしまいます。
少しずつでのご紹介にはなりますが、
北欧モダニズムの新たな美しさの一面を、
ご堪能いただければ幸いでございます。
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2014 | 9_21 | Sunday
コプト裂 Huruimono09
たいぶ凌ぎやすくなって参りまして、方々の美術館でも秋の展覧会のための展示替えに入っているようで、この待っている時期というのも何とも心躍るものです。少しずつ集まってまいりました、気軽で楽しい骨董品をご紹介するHuruimonoのコーナーです。今回はコプト裂です。コプト裂とは紀元3世紀から13世紀まで、エジプトのキリスト教であるコプト教の人たちが、ギリシャ文化の影響を受けた、綴織(つづれおり)と呼ばれる神話を題材とした織文様のある衣服を身にまとっていた布のことでして、19世紀にはヨーロッパでコレクターが現れるほどになりました。こちらの裂は幾何学文様のみで構成されたものですが、ギリシャ神話の神々や鳥などがあしらわれたものも多く、4〜5世紀のエジプトで直接関係のないギリシャ文化の文様を、コプト教の人々がなぜ身にまとったのかは今でも謎とされております。真ん中に6つあるのは花でしょうか、大抵は残欠のさらに残欠の端っこのような裂しか見ないものですが、これも出会いで比較的大きく残った裂が現れてくれまして、有り難いものです。いつもの古美術商の方にフリーベリとも合いそうですと勧められて手に入れましたが、現代のアクリルのパネルに入れられた裂は、まるでかなり尖ったコンテンポラリーアートのようで、何人も表現し得ない力強さも感じさせます。しかし作為は全く無く、用の美として伝わってきた物の素直さもあるのでしょうか、千年以上の時を越えてフリーベリの無の静けさに共鳴するようです。
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2014 | 9_2 | Tuseday
ベルント・フリーベリ展は無事に終了いたしました
タカ・イシイギャラリー モダン(六本木 ピラミデビル)に於いて開催されておりましたベルント・フリーベリ展は無事に終了をいたしました。このような素晴らしいロケーションや展覧会を快くご快諾いただきました、タカ・イシイギャラリーさんや、チェストを急ぎ仕立てていただきましたbroadbeanさんには改めまして感謝と御礼を申し上げます。そしてお暑い中わざわざお越しいただきました沢山の皆様。お買い上げをいただきましたお目利きの皆様方。このご恩は決して忘れることはございません。心より感謝、御礼を申し上げます。また明日よりさらなる精進をさせていただきます。
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