2016 | 10_29 | Saturday
Bode Willmsenの稜鉢 shinamono40
デンマーク陶芸黎明期より活躍した巨匠、ボーデ・ウィルムセンの鉢です。ウィルムセンは1925年から30年にかけてロイヤルコペンハーゲンに所属しておりましたが、30年代は自身のスタジオを設立し、東洋の陶芸に通じる作品を多く残しております。アクセル・サルトもこの個人スタジオにて作品を残していたり、同時期に二人がサクスボーにも所属していたことも分かっておりますので、当時の巨匠たちの自由で闊達な交流が伺えます。40年に再度ロイヤルコペンハーゲンに戻り、47年で引退をしておりますが、ロイヤルコペンハーゲンでの作品はどちらかと言いますと、西欧調の荘厳な彫刻作品のような作行きが多いものです。
こちらの鉢は1937年制作のもので、ウィルムセンの個人スタジオで作られたものです。デンマークでは有名な銀細工の工房兼作家でもあります、Hans Hansen(ハンス・ハンセン)との共作でして、底面のサインには二人の名が記されており、おそらくは銀細工の蓋が付いていたものと思いますが、後補で木蓋が添えられております。稜のような盛り上がりと、鎬が入った装飾性のある小壺タイプの形をしておりますが、手取りは重く、使い勝手はあまりございませんで、銀細工の延長として作られた陶芸オブジェ作品という感じがいたします。特に縮れた釉が一番の見所でして、トロッと掛かった白釉と緑釉が、ねっとりと絵の具のように混ざり合い、一部にはピンクの表情も見て取れます。胎土との収縮率の違いか、フツフツと縮れて湧き上がって焼成されており、その肌と表情は複雑で深く、大変に素晴らしいものです。底には窯割れが稲妻のように入って貫通しておりますが、あまりにも力のある作品だったのか、穴は埋められ再度焼かれております。この横に稜や鎬の入った装飾は、20年代から30年代の時代性なのか、アール・デコ時代の作品に特に多いように思います。
BW01610 ボーデ・ウィルムセン 蓋付稜鉢 高さ10.4cm(蓋有り) 幅11cm 1937年製
(価格はお問い合わせください)
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2016 | 10_21 | Friday
六本木 complex665
本日10月21日(金)、六本木に小山登美夫ギャラリー、シュウゴアーツ、タカ・イシイギャラリー、そしてbroadbeanが集結しましたアートスポット「complex665」がオープンいたしました。昨晩はオープニングプレヴューがございまして、一足お先にお邪魔をして参りました。中は人でごった返しておりまして、すごい盛況ぶりに驚きであります。皆様本当にオープンおめでとうございます。
1階入り口横には、今回も3階のタカ・イシイギャラリーさんの内装デザインを手がけました、broadbeanさんのオリジナルの家具のお店が、満を辞してのオープンです。オープニングの展覧会はオーバルをテーマに、楕円の形をしましたテーブルと鏡をメインにディスプレイされておりました。この鏡の枠は無垢の木を削り出し作ったもので、その風合いとシャープさを兼ね備えた美しさは鏡として自分で使うには勿体無いほど。アーティストの方が額縁としても検討されておりました。またオーバルではありませんが、キャビネットも大変に美しく、こだわりの素材や仕上げの質の高さは折り紙付きで、以前から私も興味津々なのであります。broadbeanさんはこのオープンに際しまして、ウェブもリニューアルしておりまして、各々の家具を見ながら簡単なご注文もできるようになっておりますので、お気になる方はぜひご覧になってみてくださいませ。
2階は小山登美夫ギャラリーさんがオープニング展、蜷川実花「Light of」を開催しておりました。光をテーマにした蜷川さんの写真は、フレームもより光を感じさせる独特な額装で、その絵も言わぬ透明感に吸い込まれそうになります。今回の展覧会のメインビジュアルでもあります青い花火は、美しさの中に、何か物悲しく、すっと空に消えていくような儚さが感じられ、心動かされます。
2階もう一つはシュウゴアーツさんです。こちらはオープニング展、小林正人「Thrice Upon A Time」を開催しておりました。壁から床まで完全に真っ白な空間で、毎回アーティストと共に空間を作り上げるとのこと。私はどうやら立体物に惹かれる達のようで、三嶋りつ恵さんのガラス作品に目が止まってしまいます。ガラス作品の周りにもインスタレーションが。
3階はタカ・イシイギャラリーさんでギャラリーのアーティスト19人のグループ展を開催しておりました。中庭テラスを臨むかなり広い空間で、大きな作品が数並んでもゆったり静かに、作品たちを観覧することができます。話題の五木田さん作品もとてもいいのですが、一番かっこいいのが最後のお写真、トーマス・デマンドの作品です。心震えるほど素晴らしいんですが、お値段も素晴らしいのです。
1階にはタカ・イシイギャラリーのビューイングルームがあるのですが、ズケズケと入って撮影させてもらいました。この石井さんコレクションの家具達がまた素晴らしく、ピエール・ジャンヌレ、ルイス・バラカン、シャルロット・ペリアン、ポール・ケアホルムや、無名でも美しい北欧やオランダのキャビネットなどなど、石井さんの研ぎ澄まされた選美眼を実感致します。
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2016 | 10_18 | Wednesday
VINTAGE OF ART「時と国を超えた美の世界」は無事に終了を致しました
新宿伊勢丹の5F、ウエストパークに於きまして開催をしておりました、VINTAGE OF ART「時と国を超えた美の世界」は無事に終了を致しました。この度もわざわざ遠方よりお越しいただきました沢山の皆様、お品物をお買い上げいただいた皆様には、改めまして、心より感謝と御礼を申し上げます。出展者の皆様も本当にお疲れ様でございました。皆さんは今月もイベント続きでして、SWIMSUIT DEPARTMENTは本日19日(水)より銀座三越にて『グローバルMINGEI -各地の風土から生まれた、暮らしの道具-』が、ELEPHANTは22日(土)より「ナタリー・ラーデンマキ展」が、SOMEWHERE TOKYOは29日(土)より「見えないもの、見えるもの」が開催をされる予定です。皆様この機会にぜひ、足を運んでいただければと思います。私もなぜか今年はお声がけ多く、イベントが毎月続きまして、来月末11月26日(土)には、渋谷にありますバー、スタンド7にて、ベルント・フリーベリについて語り、即売会も行われるギャラリートークが開催予定です。また改めましてご案内をさせていただきますので、皆々様にはまたお目にかかれればと思います。
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2016 | 10_5 | Wednesday
本日よりVINTAGE OF ART「時と国を超えた美の世界」が始まります
本日2016年10月5日(水)〜10月18日(火)まで、 新宿伊勢丹の5F、ウエストパークに於きまして、VINTAGE OF ART「時と国を超えた美の世界」がいよいよ始まります。先ほどまで搬入をしておりまして、無事、お品物たちを並べ終わりました。参加店舗のELEPHANT、SWIMSUIT DEPARTMENT、SOMEWHERE TOKYO、そしてギャラリー北欧器の4店舗各々に、棚の品物が分かれておりますが、お分かりでしょうか?それぞれ強烈なまでに個性が出過ぎております。ギャラリー北欧器では「小さな器たち」をテーマに、手のひらサイズの愛おしい器たちを小箱に収め、展示販売をさせていただきます。おなじみのウィルヘルム・コーゲ、ベルント・フリーベリ、スティグ・リンドベリ、スヴェン・ヴァイスフェルトなどのグスタフスベリ製陶所の作家たちや、サクスボー、カール・ハリー・スタルハーネやホガナス製陶所のヨハン・アンダーソンのミニチュア、そしてオレフォス社のガラスの作品まで、古今東西の珍しくも可愛い小さな作品を多数ご用意いたしました。棚のスペースに限りがありまして、すべて展示してはおりませんので、即売でどんどん展示替えをしてまいります。お値段もヨハン・アンダーソンのミニチュアは8,000円よりご用意いたしましたので、この機会にぜひお立ち寄りをいただければ幸いでございます。
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2016 | 10_2 | Sunday
ギャラリー北欧器のStockを更新いたしました
ようやく秋の風を感じるようになってまいりましたが、如何お過ごしでございましょうか。間が空いてしまいましたが、7月に続きましてギャラリー北欧器のStockの更新をいたしました。Carl Harry Stalhaneの作品を追加いたしまして、新たにFinish Pottery(フィンランド陶芸)の項目を新設いたしました。どうぞ少しだけ大きな画像、違うアングルにてご高覧くださいませ。
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