2018 | 2_25 | Sunday
MA2 GalleryのA PLUS PROJECTに出展をいたします
厳しい寒さが明けまして、そろそろ春の足音が近づいてまいりました。
皆様、如何お過ごしでございましょうか。
さて、今週末の3月3日(土)〜14日(水)恵比寿にありますMA2 Galleryの4階に、
昨年より新たにオープンいたしました、
A PLUS PLOJECTのエキシビジョンに参加をさせていただくことになりました。
この度は、木作家の吉川 和人さんとのコラボレーション企画でございまして、
吉川さんのガラスケースの中に器たちを収めまして、
まるで標本のような仕立てにて展示販売をさせていただきます。
お持ちする器は、お馴染みのベルント・フリーベリを始め、
ウィルヘルム・コーゲ、スヴェン・ヴァイスフェルト、
デンマークからアネ・バーン、そしてガラスのエドヴィン・エールシュトレムなど、
静かな木製のフレームに合います、器を見立てまして、
お持ちする予定でございます。
ガラスケースに収められた、モダニズムの作品たちが並ぶ姿は、
また違った視点と新しい美の発見があるのではと、
私自身も大変に楽しみでございます。
また1,2階のMA2 Galleryでは、同時期に伊庭 靖子さんのエキシビジョンが開催されます。
写真に撮った器を、自らの視点で再構成して、描き直す伊庭さんの作品は、
独特の透明感がありまして、思わず引き込まれ、魅了されてしまいます。
今回のエキシビジョンのメインビジュアルになった作品も、
ガラス越しに見た、土器のような小壺でして、光の入り方に陶酔感があり、
スッと空に消えてしまいそうな儚さがまた美しいものです。
お写真では絶対にわからない、伊庭作品の透明感もぜひ、
実際にご覧になってお楽しみくださいませ。
エキシビジョンの期間中、MA2 Galleryに春の訪れを告げるような、
華やかな器たちが一堂に集合いたします。
ギャラリー北欧器の展示は、3月3日(土)〜14日(水)の短い期間でございますが、
3日(土)と10日(土)は私も終日在廊を予定しております。
お近くにお越しの際はぜひ、
お立ち寄り、ご観覧をいただければ幸いでございます。
PLACE|MA2 Gallery 「A PLUS PROJECT」
DATE|2018年3月3日(土)~3月14日(水)
OPEN|12:00-19:00(日・月 休)
ADDRESS|東京都渋谷区恵比寿3-3-8
ACCESS| JR恵比寿東口から徒歩10分、日比谷線広尾駅から徒歩10分
TEL|03-3444-1133
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2018 | 2_20 | Tuesday
石川 金沢 加賀山代温泉
お客様へのお届けで、人生初の北陸、金沢と加賀の山代温泉へと伺ってまいりました。まだ先日の大雪の名残がありますが、雪国の強さで、全く普段通りの時間が流れておりまして、雪深い街並みは本当に美しい、風光明媚で歴史深い土地でありました。山代温泉はかの北大路魯山人が陶芸に開眼をした、須田菁華の菁華窯がある地でもありまして、何とも感慨深いものでありました。少々ご紹介をさせていただきます。
金沢の街は、金沢城を中心にコンパクトにまとまっておりますが、江戸情緒あふれる古い建物が数多く残っており、散策するだけでも本当に楽しめます。小京都的なものや小江戸などとは一線を画す、海、山、陸、そして川が一体となった独自の美意識を感じさせるもので、その哲学は美術や工芸にも強い影響を感じさせます。その歴史深い土地において、21世紀美術館のような現代アートの美術館がありますと、より街並みを美しく、ピリッと締めてくれているようです。 この日は大雪から後、晴れ間が覗きましたが、美術館はもの凄い人で溢れかえっており、チケット売り場にも大行列が。その注目度と人気の高さが伺えます。
そして金沢より少し離れました、加賀の山代温泉へ。まだ福田大観と名乗っていた若い魯山人が、京都から北陸を旅した折に訪れたのが山代温泉で、そこの旦那衆に才能を見初められて、温泉街の多くの看板を制作することに。旅館「吉野屋」主人の別荘「現 いろは草庵」に魯山人を住まわせ、毎日骨董や書、美術談義を旦那衆としたようで、その文化サロンにて初代須田菁華にも出会いました。明治に古九谷を復興し菁華窯を築いた須田菁華は、看板の制作を魯山人に依頼し、あまりの出来栄えの良さに、窯への出入りを許したそうです。その菁華窯で初めて絵付けを体験した魯山人は、次第に陶芸に魅せられて行くことに。今でもその時の看板が菁華窯の入り口に飾られておりました。店内の写真を撮り忘れるほど美しい多くの器たちは、本当に目移りをしてしまいます。全ての器は今でも蹴り轆轤で成形し、絵筆で一つ一つ描き、松薪の登窯で焚く、古九谷と全く同じ工法で作られているとのことで、その釉の揺らめきや掛け外しなど、機械で作られるプリント物にはない一点物の良さは、愛陶家にはたまらないものがあります。古九谷のみならず、祥瑞や赤絵など本歌と見紛う作品たちに魅了されました。確かに魯山人の原点此処に有りを見たような気が致しました。
あーだこーだと大騒ぎして選ばしてもらったのがこちら。使うことを前提に、染付けの飯碗二客と、古九谷様式の四方入角三脚向付を二客。これで毎日ご飯をいただけるなんて最高の贅沢であります。気品ある美しさが有りつつも日々使える、まさに用の美を作り続けられる四代目須田菁華さん。手に取りながら眺めつつ、触りつつ、焼き物は本当にいいなぁとしみじみ感じました。須田菁華さん、女将さん、お騒がせしまして、本当にありがとうございました。
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