2018 | 7_30 | Monday
「北欧モダニズムと遊ぶ ベルント・フリーベリ展」の出展作品たち
しぶや黒田陶苑さんにて開催中の「北欧モダニズムと遊ぶ ベルント・フリーベリ展」でございますが、この度は展覧会期間が二週間と長いものでして、いつもよりもごゆっくりと名店の店内にて作品をご覧いただけます。いくつかの作品は旅立ってしまいましたが、まだご紹介しきれておりません、新顔の作品や私が気になる作品などをフォーカスしてご案内させていただきます。今までフリーベリ作品を一点づつ並べることはあまりありませんでしたが、今回挑戦をしてみましたら、美しくも大変に緊張感のある佇まいであることが、今更ながら気づかされました。集合態でも、一点でも、空間を邪魔しないその洗練されたフォルムに改めまして脱帽であります。展覧会後は蔵に戻り、ギャラリー北欧器のコレクションとする作品もございますので、この機会に是非、会場にて実物をご高覧いただければ幸いでございます。
入り口横のガラス内に一点で立つ、大振りな花器作品です。まるで金属で作られたような肌、滅多に無い、極細身の胴は、まるで仏具のような緊張感を感じさせます。硬質な壁の雰囲気と相まって素晴らしい佇まいをしております。
大変に珍しい、黒に近い色味の釉とぷっくりとした胴が特徴の花器作品。ミドルサイズですが、これも一点で美しい佇まいをしております。特に表情が水墨画のようで、その景色はいつまでも眺めていても飽きません。
青磁色をした大きな花器作品。このしっとりとした肌と淡い雰囲気は大変に人気の高いものです。一点でも十分に品格と存在感を感じさせる逸品です。
小振りなサイズの作品とやや大振りな作品と並べてみました。形や色味をバラバラにしても、調和がとれた静かな組み合わせになるのは、フリーベリの真骨頂とも呼べる特徴です。
小さいものですが、真っ白な釉の花器作品もお一つございます。ぷっくりとした柔らかい曲線をした形と、純白の肌が相まって何とも良い、気品のある佇まいです。
白に鼠が混じったような可愛い小壺は、50年代初頭のもの。チリチリとした細かな毛並みはこの時代独特のもので、繊細な作りは絵も言わぬ美しさを感じさせます。
胴が平たくなった扁平花器は、フリーベリ作品の中では幻の作品と呼ばれ、胴が平たくなればなるほど、その希少性が上がり、真っ平らのものはコレクター垂涎の的です。ここまで平らで大振りなものは近年稀に見る逸品で、展覧会後はまた蔵に戻ってしまいます。
花を生け、床の間におさまりますとまた違った表情が楽しめます。大変に大振りな花器は、淡い青から黒へと表情を変え、まるで抽象絵画のような様相です。
酒盃としてお使いいただける作品もいくつかございますが、特に美しいのはこのお二つ。極薄手の口縁に、淡いグラデーションが流れる作品は、近年めっきり減ってしまいました。この柔らかくもピリッとした緊張感がフリーベリの真髄でもあります。抜群の作品たちです。
最近はミニチュア作品が大変に人気で、在庫もこれだけになってしまいました。探しても出てこないため、いつかは幻の作品になってしまうのではと心配になります。お写真だけですと、大きな作品と変わらない緊張感で、小さいのか大きいのかわからなくてなってしまいます。
お抹茶茶碗としてお使いいただける、手取り良い作品たちを選んでいただきました。これは当時のプライスシールが付いた珍しいもので、形や釉、薄手の口縁など全て揃った逸品のお碗です。
こちらもお茶碗作品です。白い肌と淡く流れる薄茶の釉が、ほんのりと朱く火照る夕焼けのようで大変に美しいものです。極薄手の口縁も繊細で、まるで薄氷のような危うい艶やかさがあります。
お茶碗作品で、赤茶にグラデーションがスッと入った作品です。手取り良い碗なりのもので、美しさと使いやすを兼ね備えた優品です。極薄手の口縁も健在で、最近めっきり減ってきた、フリーベリらしい繊細な作品でもあります。
お茶碗作品最後は、見込みに文様の入りました、稜碗のような作品です。これは紙でマスキングをして釉を吹きかけて制作をしたようで、少しでもズレてしまうとこの模様が綺麗には現れない、傍で見ていると息が止まってしまうような技法の作品です。掻き落としではなく、施釉のみで変調を表現する技術の高さは、本当に素晴らしいものです。
口縁がうねるお碗作品で、やや大振りな鉢サイズのものですが、この立ち姿は私の1番のお気に入りでもあります。高台が他の作品よりも高く、見込みは蟻地獄のような深さがあり、このスッと縦に伸びた佇まいは本当に良いものです。口縁が開かずにやや窄まったギリギリの緊張感がり、同手の形の碗作品は、かのロバート・メープルソープのコレクションなどにも見受けられるもので、いつかは持ちたい私の憧れでもありました。
中国の宋代のお碗を模したと思われる平盃です。低い高台から一気に開いた、逆富士山のような形をしており、その極薄手の作りや変化に富んだ釉の表情など見所満載の逸品です。50年代初頭にのみ作られた珍しい作品で、今までで数点のみしか扱ったことのないものです。
豪雨、そして台風に続き、また猛暑と今年の夏は本当に参ってしまいます。会場へとお越しになれないお客様も、ウェブに掲載の器は、 しぶや黒田陶苑さんにてご注文を承りますので、詳細など、お気軽にお問い合わせをいただければ幸いでございます。
PLACE|しぶや黒田陶苑
DATE|2018年7月27日(金)-8月7日(火) ※8月2日(木)はお休みをいただきます。
OPEN|11:00-19:00
ADDRESS|〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-16-14 メトロプラザ1F
ACCESS| 渋谷駅東口徒歩3分
JR山手線東口、東急東横線、銀座線宮益坂交差点出口を出て、
明治通りを原宿方向に直進、 宮下公園交差点角、
歩道橋の右側のビル「地下鉄ビル(メトロプラザビル)」一階奥
地下鉄半蔵門線、副都心線13番出口0分
TEL|03-3499-3225 FAX|03-3499-3235
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2018 | 7_26 | Thursday
明日より「北欧モダニズムと遊ぶ ベルント・フリーベリ展」が始まります
いよいよ明日より、しぶや黒田陶苑さんにて「北欧モダニズムと遊ぶ ベルント・フリーベリ展」が始まります。昨日、一足お先に搬入と陳列をしてまいりました。今回は日常でお使いいただけるフリーベリ作品たちを、選び抜いてご紹介をさせていただきました。お茶碗として使えるものや、酒盃としてお使いいただける作品を中心に、花器もミドルサイズの作品が多く、出窓や小棚に一つ置いていただくと、一輪挿しとしてお楽しみいただけます。いつものように沢山の作品を一堂に並べず、一つ一つの作品をごゆっくりご覧いただけるようにご紹介しておりますので、フリーベリ作品の本当の静けさ、美しさをご存分にご堪能いただければ幸いでございます。毎日、大変にお暑い日が続きますが、この機会に是非、お立ち寄り、ご高覧をいただければ幸いでございます。
また会場へとお越しになれないお客様も、ウェブに掲載の器は、 明日27日より、しぶや黒田陶苑さんにてご注文を承りますので、詳細などを是非、お問い合わせをいただければ幸いでございます。
PLACE|しぶや黒田陶苑
DATE|2018年7月27日(金)-8月7日(火) ※8月2日(木)はお休みをいただきます。
OPEN|11:00-19:00
ADDRESS|〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-16-14 メトロプラザ1F
ACCESS| 渋谷駅東口徒歩3分
JR山手線東口、東急東横線、銀座線宮益坂交差点出口を出て、
明治通りを原宿方向に直進、 宮下公園交差点角、
歩道橋の右側のビル「地下鉄ビル(メトロプラザビル)」一階奥
地下鉄半蔵門線、副都心線13番出口0分
TEL|03-3499-3225 FAX|03-3499-3235
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2018 | 7_20 | Friday
「寺山紀彦 “果敢ない構造” 」 於SOMEWHERE TOKYO
7月27日(金)〜8月19日(日)までSOMEWHERE TOKYOにて開催をされます「寺山紀彦個展“果敢ない構造”」にご協力をさせていただきました。寺山さんはこれまで既存のモノからスタートし、それらを加工したり、再構築したり、再編集した作品を数多く発表してきました。今回は、不運にも割れてしまったギャラリー北欧器の作品たちを、寺山さんにお渡しして、再考、再構築をしてもらい、新たな作品として再生をしてもらいます。 ベルント・フリーベリの花器や碗を始め、エリック・ホグランのガラスオブジェといったモダン期の作家作品や、デザイナーのプロダクト作品が出展をされます。展覧会期間は、先日ご紹介のしぶや黒田陶苑さんでの「モダニズムと遊ぶ ベルント・フリーベリ展」と丁度同時期の開催でして、そちらの会場での完璧なフォルムと釉のベルント・フリーベリ作品と、そのアンチテーゼでもある、破壊と再構築の作品の対比を、二つの展覧会でぜひお楽しみいただければと思います。お近くにお越しの際は、二つの展覧会をご回遊いただきまして、是非ご高覧いただければ幸いでございます。
PLACE|SOMEWHERE TOKYO
DATE|2018年7月27日(金) - 8月19日(日) ※定休日 8月1日(水), 9(木), 15(水)
OPEN|13:00-19:00
ADDRESS|〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-7-1 1F
ACCESS| JR、東京メトロ恵比寿駅西口徒歩7分
TEL|03-6452-2224
協力:ELEPHANT、ギャラリー北欧器
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2018 | 7_14 | Saturday
北欧モダニズムと遊ぶ ベルント・フリーベリ展 於しぶや黒田陶苑
この度、2016年の前回に引き続きまして、しぶや黒田陶苑さんにて「北欧モダニズムと遊ぶ ベルント・フリーベリ展」を開催する運びとなりました。
今回は「北欧モダニズムと遊ぶ」と題しまして、 日常で使えるベルント・フリーベリ作品たちを、選び抜いてご紹介をする予定でございます。 お茶碗としてお茶席で、また茶箱にも使える作品。酒盃や徳利など、酒器として楽しめる作品。 現代のお住まいにもスッと馴染む花器作品など、見立て」の楽しさをご存分に味わっていただけるような作品構成とさせていただきました。 先日、出展作品も決まりまして、新入荷の作品を含めまして、 全140点ほどの、厳選に厳選を重ねました作品たちが出展予定でございます。
この度も日本を代表する陶芸の名店にて、ベルント・フリーベリ展を開催できますのも、 ひとえに皆様方のお影様と感謝の念に耐えません。 お時間がございますれば、是非ご高覧を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。
展覧会期間が二週間と長くなっておりまして、 私は27日(金)〜29日(日)、4日(土)〜5日(日)、最終日7日(火)に在廊を予定しておりますが、 その他のお日にちも、なるべく在廊をさせていただきます。
また、ご案内のチラシに掲載の器、後日、黒田陶苑さんのウェブに掲載の器は、 展覧会前の先行にてご予約を承りますので、 是非、しぶや黒田陶苑さんにお問い合わせをいただければ幸いでございます。
PLACE|しぶや黒田陶苑
DATE|2018年7月27日(金)-8月7日(火) ※8月2日(木)はお休みをいただきます。
OPEN|11:00-19:00
ADDRESS|〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-16-14 メトロプラザ1F
ACCESS| 渋谷駅東口徒歩3分
JR山手線東口、東急東横線、銀座線宮益坂交差点出口を出て、
明治通りを原宿方向に直進、 宮下公園交差点角、
歩道橋の右側のビル「地下鉄ビル(メトロプラザビル)」一階奥
地下鉄半蔵門線、副都心線13番出口0分
TEL|03-3499-3225 FAX|03-3499-3235
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2018 | 7_4 | Wednesday
Architectural Pottery
お馴染み、カリフォルニアのミッドセンチュリー期の代表的な陶器プランター、アーキテクチュラルポテリーです。以前まで日本でも、受注会や展覧会などで新品が手に入ったアーキテクチュラルポテリーですが、最近はポツポツと出て来る、ビンテージになったものを拾うしか方法がなくなってしまいまして、何とも寂しい限りであります。アーキテクチュラルポテリーは、1948年、ラ・ガルド・タケットが勤めていた カリフォルニア・スクール・オブ・アートの授業の一環でスタートさせたもので、学生が地元の企業と製品を作りマーケティング、販売するまでを目的とした授業という当時では珍しいプロジェクトとして注目され、 そこにデザイナーのジョン・フォリスが参加したことによってプロダクトのクオリティは急速に発展しました。 1950年に企業家のリタ・ローレンスがこの学生たちのプロダクトを生産する為、 アーキテクチュラルポテリー社を設立すると、 多くの美術館の展覧会などで注目を集めました。 アーキテクチュラルポテリー社は活動を一時休止しましたが、 1998年に現在のVessel USA Inc社がコレクションを引き継ぎ販売が再開され、現在も完全受注生産で、ほぼ手作業で作られております。当時のビンテージ品はかなり高額で取引されておりますが、やはり形や色、そしてアイアンの黒く細い脚をつけることが出来る、現在も生産されているシリーズが本当に美しく、50年以上経っても色褪せないモダンな佇まいは大変に素晴らしいものです。プランターにしてはお値段がお高いものですが、オブジェとして並べても空間が美しく、そして楽しくなる不思議な魅力を秘めておりまして、私の周りにもファンがとても多いものです。私もアーキテクチュラルポテリー愛で、積極的には販売をしておりませんでしたが、どうしても少しづつ出て行ってしまうのを見ますと、物売りは儚く悲しいなぁと感じます。
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