01. Berndt Friberg (ベルント・フリーベリ)
青磁茶釉扁平花器
Celadon and brown glazed discus shaped vase
W 13cm H 9.1cm 1964年製
Gustavsberg G hand Friberg F (1964)
胴体が平たく横に開いた、扁平花器の中でも、大振りな作品。欧米では、円盤型、またランタン型と呼ばれるこの形は、胴体が平に開けば開くほど、制作は難しくなり、より貴重で珍しくなる。この作品は、大きな胴体に、赤茶の釉が全体に掛けられ、その上から緑釉が二重掛けされた、珍しい釉薬の組み合わせが特徴で、全体に細かな釉薬の毛並みがきれいに流れている。扁平の形の美しさも素晴らしく、柔らかくも、張りのある曲線は、まるでキノコなどの自然物にも見えてくる。意図して描いたような細かな釉薬の毛並みも完璧で、施釉と火の力によってのみ生み出された景色とは到底思えない、緻密な表情になっている。大きな胴体全体にこの細かな表情は広がっており、見応えのある存在感である。特に、胴体の裏側は、平たいために火が回らず、釉薬が甘がけになることが多いが、この作品は高台周りまでしっかりと釉が掛かっている。扱った当時も1番の作品としてご紹介した覚えのある作品で、釉薬の珍しさと表情の美しさ、形の柔らかさの全てが整った、他に類を見ない、隙のない佇まいが秀逸である。