01. James Lovera (ジェームズ・ロベーラ)秘色釉大鉢
W 23.5cm H 13cm 1990年代制作
Sign
Lovera
アメリカ、カリフォルニアの陶芸家、ジェームス・ロベーラの大振りな鉢作品です。カリフォルニア出身のロベーラは、大学で彫刻を学んだ後、アメリカ陶芸の先駆者、ゲートルード&オットー・ナツラー夫妻より作陶を学び、また助手として勤める傍、自らはサンノゼ州立大学の陶芸、デザイン、テキスタイルの教授として教鞭を執っておりました。ナツラー夫妻からの影響と思われる、東洋的でシンプルなフォルムと釉の作品で、まるでプラスチックで作られた様な、光沢のある肌と柔らかくうねるフォルムが特徴的です。当時カリフォルニアで隆盛を極めた、イームズ夫妻の家具の様に、プラスチックを熱で曲げたイメージなのか、新素材での陶芸表現の様で、大変に面白い作品に仕上がっております。黒に近い色味の土を轆轤挽きで碗なりに成型しておりますが、大きさの割に驚くほどの手取りは軽く、当時は驚きを持って迎えられたであろう新しい陶芸の雰囲気を感じさせます。口縁は外側にやや端反り、見込みは蟻地獄のように深く、高台は胴体に比べてぎゅっと小さいものです。鼠色の釉薬と藍色の釉薬が掛けられておりますが、お互いが混ざりあい、まるでオーロラや夜空の星の様な、壮大で美しい景色が、内側と外側に広がっています。