02. Berndt Friberg (ベルント・フリーベリ)
薄茶釉線文扁平花器
Light brown glazed discus shaped vase with linear design
W 13cm H 9.1cm 1964年製
Gustavsberg G hand Friberg F (1964)
(ご売約)
扁平花器の中でも、やや胴体が厚いタイプのもので、比較的大振りな作品。特筆すべきは、釉薬の文様で、濃茶の釉を全体に掛けて、その上から薄茶の釉を二重掛けしているが、紙などでマスキングをして、この筋の線文様を作り上げている。扁平作品で、文様のあるサイプは極めて珍しい。釉薬はスプレーで吹き付けているため、極薄手でもあり、施釉の時点で文様を描くことは想像できるが、こうした正確な文様を、形が崩れずに焼成する制作工程を、どの様に行っているかは定かではない。丸い玉をぎゅっと押し潰した様な、張りのある胴体をしており、その弾力を感じる肌は、まるで生きているかの様でもある。口先の長さと胴体のバランスも見事に整っており、隙のない均整のとれた優美な佇まいである。文様の入った扁平花器は、数は極めて少なく、私が扱ったのはこれを含めて、僅か一点か二点である。今では緊張感のある作品が少ない中、より希少な作品として、今後も存在が増していくことになるであろう。