Christian Poulsen(クリスチャン・ポールセン)
辰砂釉白磁碗
Red glazed white porcelain bowl
W 13cm H 6.6cm 1930年代製
B&G stamp, Kjobenhavn Danmark CHR-P H763 (1930)
デンマークはピングオーグレンダール製陶所に在籍した作家、クリスチャン・ポールセンの碗作品です。1911年生まれのクリスチャン・ポールセンは、デンマークデザイン学校に学び、30年代よりピングオーグレンダールでキャリアをスタートしました。デンマークにおけ北欧陶芸黎明期の作家の一人で、東洋的な器と西洋彫刻をミックスした作品群を多く生み出しました。大きな作品が中心の作家で、手取り良い碗サイズの作品は珍しく、中国の哥窯に見られる、貫入の入った白磁の肌に、辰砂の様な赤い釉薬が施されております。北欧作品はスウェーデンのグスタフ国王の宋時代の古陶磁蒐集コレクションに加え、デンマークやフィンランドなど幅広い地域で、東洋古陶磁の影響が強く感じられる作品が多く、数多くの共通点が指摘されております。彼ら独自の解釈で、新しい陶芸彫刻作品を生み出した背景はとても面白いものです。肌に小傷が見られますが、状態はたいへんによろしいものです。2014年の愛知県陶磁美術館での展覧会「モダニズムと民藝 北欧のやきもの展」への出展はない作家ですが、北欧黎明期の陶芸を支えた重要な一人でして、当時、作品が日本に将来できておりましたら出展していた可能性のある作品と思います。