06. Berndt Friberg (ベルント・フリーベリ)
黒瑠璃釉扁平花器
W 9.1cm H 6.9cm 1966年製
Gustavsberg G hand Friberg H(1966)
(ご売約)
扁平花器の中では、ミドルサイズの比較的大きな作品であるが、このサイズとしては珍しく、胴体が極めて薄く伸びたもの。全体に濃く深い瑠璃釉が掛けられ、その上から、茶釉が二重掛けされているが、茶釉は黒に近い色をしており、まるで金属で作られたかの様な、硬質感のある研ぎ澄まされた佇まいをしている。口先はやや長く伸びているが、胴体は轆轤と焼成が可能な限り、極限まで薄く平に伸ばされており、一種、異様な雰囲気を醸し出している。手のひらを越える大きなサイズではあるが、ここまで平たく攻められた、扁平花器は、恐らく存在しないと思われる。まるで地面に張り付く様な胴体の薄さに思わず息を呑む。もう少し小振なサイズで、板の様な胴体の扁平花器は、数点扱っているが、この大きさのものは、20年ほど市場を見ているが目にしない。さらに青い釉薬というのも大事で、探しているコレクターも多いが、ここまで濃く深い青の釉薬の作品は稀で、なかなか見つからないのが、昨今の現状である。これを扱った当時も、この極薄い胴体で、濃く深い青い釉薬の作品は、ほとんど出てこないとご紹介したことを思い出す。確かに後にも先にも、これ一点しか扱っていないのだから、それは間違いではなかったと、この作品を前に、改めて思い返す。