09. Berndt Friberg (ベルント・フリーベリ)
青磁釉卵花器
Celadon glazed egg vase
W 8.7cm H 11.1cm 1966年製
Gustavsberg G hand Friberg H(1966)
(ご売約)
世界中の誰もが知る形。卵型の花瓶を轆轤で作り出したのは、フリーベリが最初ではないだろうか。誰が見ても卵とわかる、美しいフォルムは、誤魔化しの効かない、シンプルながらも最も難しい形である。今の作家が卵に挑戦した作品を、フリーベリのそれと並べると、作家作品がぐしゃぐしゃに崩れて見えるほど、フリーベリの卵は完成されており、当たり前の形を当たり前に美しく作るのは、簡単には到達し得ない技でもある。卵型の中でも、いくつか形の種類があり、これは胴体が少し膨れた、ぷっくりと丸いタイプのもの。高さが11センチと、最大級の大きさで、膨れた胴体の面積が大きい分、その存在感はかなりある。卵型は最大でも13センチ程の高さしかなく、この様な大きさの作品は、今ではもう、早々に出てくるものでは無い。全体に淡い青色の釉薬が掛けられ、その上から薄茶の釉が二重掛けされている。胴体に表情が現れているのも見所である。高さ10センチを越えてくると、かなり大きな卵作品に入ってくるが、11センチの作品は、私が扱ったこの当時では最大の大きさであった。その後、13センチまでの作品を扱うことが叶ったが、この淡い釉薬と形の美しさが全て揃った作品は、ほとんど出会うことがなかった。まさにフリーベリの卵花器を代表する優品と言っても過言では無い。