14. Berndt Friberg (ベルント・フリーベリ)
黒瑠璃釉卵花器
Black blue glazed egg vase
W 7.4cm H 10.1cm 1955年製
Gustavsberg G hand Friberg Z (1955)
(ご売約)
大振りで、美しい瑠璃釉が掛かった、卵花器作品。全体に濃く深い瑠璃釉が掛けられ、その上から茶釉が二重掛けされているが、お互いがよく混ざり合い、黒に近い表情で全体を流れている。ほとんど全てを黒瑠璃釉が覆っており、口先のみ、少し青味を感じさせる。特筆すべきは、大きな卵作品でありながら、どこから見ても全く隙のない完璧な作りが特徴で、フリーベリの卵作品の中でも、一つの頂点であると言っても過言ではなく、まさに名品として君臨する作品。形は胴体が縦長に伸びた、立ち姿の美しいタイプのもので、ほどよく膨れた胴と、口先まで柔らかく伸びた曲線が見事である。10センチを越える高さは、存在感を十分に感じさせ、フリーベリ作品の美しさを存分に味わうことができる。50年代の最も繊細な作りの時代の作品でもあり、薄造りの轆轤や、高台の丁寧な作りは、本当に惚れ惚れする。完璧に流れる釉薬の表情も相まって、凛とした緊張感と、気品さが漂う佇まいである。フリーベリは元々、完璧な作品しか出さないのがポリシーであるが、品薄から保管品の放出や、手を入れられた作品が数多く出回り、このクラスの作品は現在では皆無になった。この出来の作品であれば、卵花器を集めているコレクターには、絶対におすすめする名品である。上下斜め横、底に至るまで、どこから見ても美しい作品は早々には存在しないが、10年前は存在をしていた。選び抜かれた作品は、一つでも十分なオーラを纏うものである。