19. 古琉球焼 マカイ
W 12cm H 5.7cm
沖縄の古い壺屋焼として譲ってもらいました、マカイ(お碗のことです)です。薩摩藩の支配下になった1609年以降、朝鮮陶工たちが招かれ、正式に朝鮮の陶芸技術が伝わったとされており、このマカイは所謂絵付けの施されたマカイとは一線を画すもので、朝鮮の技術が伝わった初期の頃の制作ではないかと胸膨らませます。まるで朝鮮のお碗の様な、釉と形の佇まいに思わず惹かれてしまいました。元々北欧作家の器の起源は、中国古陶磁や朝鮮古陶磁がメインですが、おそらく民藝の柳宗悦と濱田庄司とウィルヘルム・コーゲの繋がりも重要な要素で、彼らの見出した李朝の器、日本の器、そして琉球の器なども、コーゲ作品、そしてベルント・フリーベリ作品に強く影響を与えております。柳宗悦や濱田庄司、河井寛次郎など沖縄の壺屋焼にも魅せられており、形の美しさなのか、釉の美しさなのか、北欧作家の起源がここにも存在している様で、全てが共通する長い陶芸の旅をこのマカイには感じさせるのです。状態は引っ付き跡を剥いで出来たと思われる口縁の欠けがあります。釉薬は堅牢で、目立つニュウは見当たりません。