22. Berndt Friberg (ベルント・フリーベリ)
緑釉花器
Green glazed vase
W 7.9cm H 10.8cm 1965年製
Gustavsberg G hand Friberg g (1965)
(ご売約)
りんご型の胴が縦長に伸びて、口先が細く立ち上がった、どんぐり型の作品。全体に淡い緑釉が掛けられ、その上からより濃い色の緑釉が二重掛けされて、お互いが混ざり合い、全体をきれいに流れている。緑釉は時より出てくる、珍しい釉薬の色味だが、ここまで深いエメラルドグリーンの様な作品は、滅多に現れることがない。美しく完璧に流れる、釉薬の毛並みも、全体を隙なく流れている。形は、りんご型が縦長に伸びた、どんぐり型と呼ばれるもので、りんご型よりもより数は少なくなる。特にこの花器は、形も素晴らしく、きれいに張った肩から口先が絶妙な細さと長さで立ち上がり、全体のバランスが見事に整った優美な立ち姿をしている。釉薬も一寸の隙のない完璧なもので、口先には淡いグラデーションがあり、毛並みよく全体を流れて、高台周りには釉溜まりと沸々と湧き上がる様な表情が見える。すべてがダイナミックかつ、ドラマチックな景色で、しかも優美で艶やかな曲線をしており、本当に惚れ惚れする。まさに名品である。このどんぐり型で、珍しい釉の緑釉が完璧に整った作品は、早々には出てこないもので、当時もその様におすすめしたと記憶している。この他二点のどんぐりをお願いしているが、この形に花を生けると、とても美しいためか、使用が多く、そちらは最終ページにもある様に、二つ共に口先が破損してしまった。極めて残念であるが、それだけ人を惹き付けて止まないフォルムである証拠でもある。