27. Berndt Friberg (ベルント・フリーベリ)
ミニミニチュアセット
茶釉超極小花器
黒瑠璃釉超極小花器
黄釉超極小碗
黒茶釉超極小卵花器
Microminiature Set
Brown glazed micro miniature vase
W 1.3cm H 4.2cm 1950年代製
BF (1950's)
Black and blue glaze micro miniature vase
W 1.3cm H 2.9cm 1950年代製
BF (1950's)
Yellow glazed micro-miniature bowl
W 0.9cm H 1.4cm 1950年代製
BF (1950's)
Black and blue glaze micro miniature egg vase
W 1.4cm H 2.1cm 1950年代製
BF (1950's)
(ご売約)
ベルント・フリーベリ作品には、ミニチュアよりもさらに小さいサイズ、ミニミニチュアというものが存在する。フリーベリ自身が片手にたくさんの器を乗せている写真が、1960年当時の図録などに掲載されているが、まさにそれがミニミニチュアで、大体が1センチほどの幅しかない。グスタフスベリ美術館には、さらに小振りで、染付の描かれた磁器性のティーカップセットなどもあり、まさに超絶技巧の極みでもある。この四点もミニミニチュアのサイズのもので、吹けば飛んでいってしまうほどに軽く、小さい。轆轤を回して、綿棒で作り上げたとされており、2メートルの大男が作り出す作品としては考えられない大きさである。さらに釉薬の表情も複雑に現れており、この大きさの表面に、釉の景色を作り出し、焼成をして器を焼き上げるということが、一体どの様に行われたのか、詳細は伝わっていない。高台内にはサインが書かれているが、あまりにも小さいため、BFとだけ書かれているのも特徴である。作品たちには、スウェーデンのディーラーより譲り受けた際から、フリーベリ本人の名刺が付属していた。表面には簡単な器の形のデッサンと、裏面には、購入者の名前(スウェーデン人の名前の様である)、「ありがとう、感謝します」という本人の直筆で挨拶文が見られる。フリーベリはストックホルムのNKデパートで展示会を度々開催しており、その際に購入した顧客へ渡されたものと考えられる。ミニミニチュアは、現在はもう出てくることはないが、今までに二十点ほど日本へと将来することが叶っている。図録写真の、手のひらに乗せられたミニミニチュアに、実際に同じ作品がいくつか掲載されているほどの作品たちで、さらに名刺が付属するミニミニチュアは、恐らくは世界に一つだけである。フリーベリ作品史上、最も重要な作品であることは間違いない。